横瀬人形
よこぜにんぎょう
概要
この芸能は、埼玉県秩父郡横瀬村に伝承される人形芝居で、別に秩父人形などとも呼ばれる。
近世末期から明治にかけて盛んに行なわれたもので、江戸の薩摩若太夫の孫弟子にあたる当地の若林佐登太夫が、説経節に一人遣の人形なつけたのがそのはじまりという。現在の伝承者若林保治は、その四代目にあたる。
人形の操法は、右手背中突込式のかげ遣いで、左手で人形の動きを助ける。特殊な操法に小栗判官矢取の技巧があり、矢を口にくわえて受けとめる技法のあるのは人形芝居の変遷過程を知るうえに貴重である。
上演曲目には「小栗判官」「葛の葉」「日高川」など十数曲があり、地芝居としての人形芝居にまわり舞台の機構を使う演出法などは、地方的に特色の顕著なものである。
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