徳地人形浄瑠璃
とくじにんぎょうじょうるり
概要
この芸能は、山口県佐波郡徳地町に伝承されるもので、義太夫節による串人形形式の人形浄瑠璃であり、全国的に数少ない特殊の人形操法を有する人形芝居である。
この地に人形芝居が入ってきたのは江戸時代のことといわれるが、明治の初期から特に浄瑠璃が流行し、この地の人は門付の一人遣いの人形をまねて取り入れたり、自ら人形を工夫して人形浄瑠璃を演じるようになり、一人遣いの串人形を考案した。この串人形の形式は埼玉県の白久の串人形に類似している外には全国でもほとんど見当たらず、その人形操法には稀少的な価値があるとみられる。この串人形は一人遣いであり、一人で七、八体の人形を操作できるのと、浄瑠璃が弾き語りであるので最低二人でも上演できる特色を持っている。しかも舞台が一間半の組立舞台であるため巡業するにも極めて便利であり、人気を呼んで遠方にまで巡業したことがあり、曲目には「絵本太功記」「菅原伝授手習鑑」「傾城阿波鳴門」「本朝廿四考」などがある。
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