猿倉人形芝居
さるくらにんぎょうしばい
概要
猿倉人形芝居は、明治期に鳥海山麓の池田与八【いけだよはち】により工夫創始された人形芝居で、明治末期から昭和初期までは、全国を巡業するほど人気を博した。人形の操法は、人差し指と中指の間に首を挾み、左右の手で二体の人形を操る形式の指人形で、人形のセリフも人形遣いがこなす独得の様式である。
演目は、講談などを元にした「段物【だんもの】」や、猿倉独自の「鑑鉄和尚【がんてつおしよう】」や「三番叟【さんばそう】」などがあり、いずれも人形甚句【にんぎようじんく】と呼ばれる民謡風の囃子にのせ、秋田弁の軽妙なセリフと曲芸的な演技を特徴とする。
以上のように猿倉人形芝居は、地域的特色を有するとともに、近代の各地の観客の嗜好に合わせてその芸態を発展させたものであり、芸能史的にも貴重である。
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