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象頭山

ぞうずざん

概要

象頭山

ぞうずざん

名勝 / 中国・四国 / 香川県

香川県

仲多度郡琴平町

指定年月日:19510609
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

象頭山は愛宕山琴平山大麻山などからなる独立山であって、那珂平野の南端に位置し、その地理的環境からまことに美しいながめが数か所にある。たとえばその一つである大麻山の山頂北端にあって東から北え、北から西えと視野を展開させると、前方に那珂の平野があり、瀬戸の多島海を隔てて遠く中国の山脈が横たわる。
那珂平野はよく耕作された田畑の中に池が点在しその間に白壁の農家が散見されてこの地方独特の田園風景をなしている。平野を南から北え流れる土器川はその白く光る水流とその堤防の濃緑の松並木とによって讃岐富士の名で知られる端麗な姿の飯野山のふもとを飾り、飯野山をして焦点的存在たらしめている。瀬戸内海には、大槌島、与島、本島、広島、高見島、佐柳島、眞鍋島、粟島など多数の島■が白砂青松のよそおいを紺青の海上に浮び、白帆はこれらの間に点々とし、その西部には仁尾、詫間、観音寺の景勝地があり、遠く燧灘につらなる。そして秋冬の候空気のすみわたった日には中国山脈の山容は多島海のかなたにけむり空気さらに透徹する日には山脈を越えて伯耆の大山をも望みうるという。また目をひるがえして南方を望めれば、四国山脈と阿讃山脈との連峯がそびえ、北方の風景に対して対照的役割をなしている。以上いわば那珂平野の人文的景観と内海と山脈との自然的景観とから、かもし出されるながめは、まことに特殊な風景美を構成しているということができる。その他の数ヶ所の展望地点からも大麻山北端とほぼ同型の風景をながめえられるが、地点の高低差はこの風景を変化あらしめている。
金比羅宮はうつそうたる壮叢と神園にとりかこまれている。社叢には往古からみだりにおのを入れないと伝えられる処女林的林相を有するところがあり、神園には花樹が豊かである、これらの樹林には多数の鳥類がすんでおり、そのにぎやかなさえずりは植物の靜的美に動的美を与えている。そして神社の建築と千三百餘級の石階と典型的門前町との存在は、ここにも自然と人文との融合と対照とが見られ、特殊な風景美を構成している。しかもこれらの自然が交通至便の市街地に接しているということは他にその比を見ないところである。
象頭山のうち特に琴平山は暖帯林の自然の姿を残した代表的のところでおもな樹種はクスシイ、サカキ、ヒサカキ、アオキ、イヌビワ、モミ、カゴノキ、イヌガヤなど最も多くこれに、ヤマモモ、イヌグス、オヌノキ、ヤマモカシ、イチイガシ、ヤブツバキ、ヤブニツケイ、タラヨウ、サンゴジユ、ダンコウバイ、ウラジロガシ、モツコク、アラカシ、クサギ、アカマツ、スギ、カヤ、ムラサキシキブ、アビ、アカメガシワ、ハリギリ、クリ、シロダモ、ウリハダカエデ、クヤノミズキ、イヌツゲ、イモノキ、ザイフリボク、シキミ、ウラジロノキ、カラスザンショウ、オンツツジ、イズセンリコウ、ネジキ、ヤマツツジ、ガマズミ、コナラ、その他多くの常緑落葉の樹種を交え、その下にウラジロ、コ■クモトシダ、シンガシラなどの草木や小かん木が見られる。特にその中腹以上におけるクスの自然林は自生北限に近いものとして注目に値する。

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キーワード

/ 自然 / イヌ / 植物

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