捨骼拾髄(しゃかくしゅうずい)
概要
7
山本春挙(やまもとしゅんきょ)(1871−1933)
YAMAMOTO,Shunkyo
捨骼拾髄(しゃかくしゅうずい)
Priest Burning a Wooden Image of Buddha
1927(昭和02)年
紙本彩色・額装 171.0×93.0
第28回早苗会(京都、岡埼公園第二勧業館)
竹内栖鳳とともに明治後期の京都画壇で指導的立場にあった春挙は、とりわけ勇壮な風景画をよくしたが、出品作は題して「骼(ほね)を捨てて髄を拾う」、禅を主題にした一種の人物画である。とある厳寒の日に、洛東の恵林寺で中国の禅僧丹霞(たんか)禅師が木仏を焚いて暖をとっていたところ、院主に咎められた。禅師が、仏を焼いて舎利を拾おうとしているのだと答えると、さらに院主が、木仏を焼いて舎利が得られるものかと言うので、それではどうして私を責めるのかと返したところ、院主は黙って去った、という故事に因む。舞い上がる火の粉や、刷毛を用いた煙の描写に見られる技巧家ぶりにも注意したい。