旧三井銀行小樽支店 本館
きゅうみついぎんこうおたるしてん ほんかん
概要
小樽の銀行街であった色内(いろない)地区に位置。三井銀行は小樽にいち早く店舗を設置し、小樽が金融集積地となる契機をつくるなど、歴史的に重要な役割を果たした。昭和2年建築の現建物は、鉄骨鉄筋コンクリート造の地方における早い例で、金庫室や保護預庫(貸金庫)に鋼板を貼った防火防犯対策や、暖房などの設備機器も充実させる。半円アーチと、ルスチカの荒々しい仕上げの石張は、イタリアルネッサンス期のパラッツオの形式を復興したもので、当時欧米で潮流したスタイルを洗練された意匠で取り入れる。実施図面などの建築設計図書がよく残っていることも貴重である。