古津路銅剣
こつろどうけん
概要
古津路銅剣は弥生時代中期の合計14本からなる銅剣群で、そのうち1本が細形銅剣、残りの13本が中細形銅剣です。
昭和41年、工事中に銅剣の破片13点が発見され、昭和44年にその周辺を兵庫県教育委員会が発掘した結果、さらに6点が発見されました。これらの破片には互いに接合できるものがあり、結果14本からなる銅剣群であることがわかりました。
特に細形銅剣である14号銅剣は初期段階に位置づけられる古い時期のもので、県内ではその先端である可能性のあるものが玉津田中遺跡(神戸市西区)から見つかっているだけです。また、1号銅剣は樋(刃部にある縦方向のくぼみ)に複合鋸歯文と呼ばれる三角形を連続させた文様が施されており、他に例のない貴重な資料です。
古津路銅剣は瀬戸内海を西に望む海岸砂堆上にまとまって埋納されていたと考えられており、出土場所は「古津路銅剣出土地」として兵庫県指定史跡となっています。また、周辺からは、松帆銅鐸7個(菱環鈕2式×1個、外縁付鈕1式×6個)、慶野中の御堂銅鐸1個(記録では8個が出土)、慶野銅鐸1個(いずれも外縁付鈕1式)が出土しており、古津路銅剣とほぼ同時期の青銅器が集中する地域として注目されています。
なお、古津路銅剣14本(19点)のうち、兵庫県教育委員会の発掘調査で出土した銅剣5点と、小破片1点の計6点は当館が管理しており、平成27年度に県指定文化財となりました。それ以外の13点は国が所蔵し、国立歴史民俗博物館が管理しています。