絵葉書「高岡市街(名木七本杉通り)」
えはがき「たかおかしがい(めいぼくしちほんすぎどおり)」
概要
高岡市の末広町通りの様子がうかがえる絵葉書。道路の右側には和洋菓子店の看板など、いくつかの商店が軒を連ね、写真中央には七本杉が立っている。下部には青字で「高岡市街(名木七本杉通り)/棚田書房発行」とある。未使用。
<高岡の七本杉>
欽明天皇(531~562)の頃に植えられたものとされ、根元から七本の枝が天に向かって伸びていたため「七本杉」と呼ばれた。古来より人々の間では大木には神霊が宿り、うっそうと茂る杉枝の上には天狗がいるともいわれた。七本杉は、樹齢千数百余年・高さ47m・周囲18mの巨木であった。明治31年(1898)には高岡駅(当時は射水郡下関村)が新設され、現在の駅前の末広町通りは交通の要路となっていくが、この七本杉によって交通妨害などを引き起こしたため、昭和2年(1927)11月18日に伐採された。なお伐採作業は毎日12人の人夫を使い2週間を費やしたといわれている。またこの七本杉は全国銘木類抄にも掲載され、明治44年(1911)、七本杉は全国一の古木であることが立証されている。
(『高岡史話-庶民の歴史-』上巻、高岡史談会、1964年)