水戸東武館(道場・正門附塀)
みととうぶかん(どうじょう・せいもんつけたりへい)
概要
水戸東武館は、弘道館の剣術指南役として、北辰一刀流を教授していた小澤寅吉が、弘道館武術の継承を目的として創設した道場である。本物件は、昭和20年(1945年)の水戸空襲により焼失した道場及び門を、昭和28年(1953年)に再建したものである。稽古場の床板に五間通しと呼ばれる長い一枚板の杉板を用いるなど、建材や礎石に至るまで材料を細かく吟味し、弘道館武芸を受け継ぐ道場に相応しい重厚な構えとして建築された。
本物件は、戦後の資金・資材の十分でない時代において、随所に意匠を凝らした道場建築として貴重である。