正岡子規短冊「十年の汗を道後のゆに洗へ 子規」
まさおかしきたんざく「じゅうねんのあせをどうごのゆにあらへ しき」
概要
正岡子規は、主に新聞『日本』紙上で俳句、短歌の革新運動を推し進め写生論を提唱した俳人、歌人、評論家である。結核を発病後も、俳句や随筆などの創作や短歌の研究を続けるとともに後継者の育成にも努めた。
本資料は、子規が俳句を認めた短冊で、この句は、「小川君大学を卒業して故郷へ帰らるゝよし聞えけれは」と添え書きがあるように、同郷の後輩である小川尚義(台湾語研究者)が帝国大学文科大学(現、東京大学)を卒業し、帰郷をするにあたり子規が贈った俳句である。現在、道後温泉「椿の湯」の男性用浴場には、この句を刻んだ湯釜がある。