火焰型土器
かえんがたどき
概要
この作品は歴史の教科書でもおなじみの火焔型土器です。把手(とって)の装飾が、燃え盛る焔(ほのお)のように見えることから、その名が付けられました。
縄文時代(じょうもんじだい)は、およそ1万3千年前から1万年以上も続いた時代です。火焔型土器は、縄文土器のなかでももっとも装飾的で、優れた造形力をみせる縄文中期につくられたものです。
全体をおおい尽くすように、装飾がほどこされていることから、儀礼用の器ではないかという説もありました。しかし、おこげやふきこぼれのあとがついているものもあることから、木の実や動物の肉を煮炊きするために使われていたと考えられています。
ちなみに、この土器が出土した新潟県の信濃(しなの)川流域では、同じような土器がいくつも発掘されています。まさに燃え上がるような造形ですが、雪深い地方で作られたことにも興味をそそられます。また火焔型土器に特徴的な把手は鶏のとさかのようにも見えます。縄文人は何をイメージして作ったのでしょう? あなたにはどんなふうに見えますか?