小林一茶の「花春帖(浅黄空)上・下」
こばやしいっさの「かしゅんちょう(あさぎぞら)じょう・げ」
概要
文化期後半から文政期に及ぶ一茶の自選自筆句集。春の529句、俳諧歌4首を収める。明治になって、荻原井泉水によって『花春帖』と名付けられたが、一般には巻頭の発句「元旦や上々吉の浅黄空」から『浅黄空』と呼ばれている。書かれた時期については、文政5年(1822)以後とみられている。
文化12年(1815)刊の『迹祭』巻尾の予告によると、春耕には『菫塚』を撰集させることになっていたが、開板されずに終った。この句帖は、その『菫塚』に入れるものとして一茶が選んで記録しておいたものではないか、との説もある。