芦雁図襖
ロガンズフスマ
概要
もと、大徳寺の塔頭養徳院方丈の襖絵。現在「山水図」14面、「琴棋書画図」8面、「芦雁図」6面の計28面が伝存している。これらの中には後世の補作とみなされるものも含まれているが、この4面は当初の襖絵で、中国南宋の画僧牧谿(もっけい)の柔らか味のある筆致に倣い描いている。 筆者は室町幕府の御用絵師小栗宗湛の子、宗継。『蔭凉軒日録(いんりょうけんにちろく)』の延徳2年(1490)7月26日条によると、養徳院の拡張に際し、父の描いた「芦雁図」2面に描き足したものであったという。補筆が多く、図様も大幅に改変されているものの、水墨による現存最古の襖絵であるとともに、宗継の唯一の基準作として重要な作品である。