加彩婦女俑
カサイフジョヨウ
概要
最も代表的な唐時代加彩美人立俑である。豊満な躰躯に高く結いあげた髷、下ぶくれの顔など、唐時代の樹下美人図にも通じ、腕に抱いた可愛いらしい狆(ちん)も、一層この作品を魅力のあるものにしている。赤褐色の胎土を用いて躰躯を作り、白土を化粧掛けし、さらにその上に赤、黄、緑、青、黒などで加彩をほどこしていたらしい。唇や頬には朱が残り、衣服の一部にわずかながら加彩のあとをとどめ、髷には髪飾りをさしていた切り込みのあとを残している。なお西安小土門村朱庭き、天和3年(808)墓から同種の髪形の胸像が出土している。彫塑的にもすぐれた世界的な名品の1つに数えられる作品であろう。