小大君集断簡 御蔵切「うりふのゝ」
こおおぎみしゅうだんかん おくらぎれ うりゅうのの
概要
布目打ちし、白の具引きをした唐紙に『小大君集』の和歌4首を書写した断簡。本品は3頁分を残す断簡であり、また鎌倉時代に書写されたと思われる識語が残る貴重な断簡である。この識語によれば、当時11帖が確認されていたとわかる。識語に据えられた花押は、二条為氏(1222-86)と推定されている。
繊細で丸味を帯びた筆致、連綿の美しさが女性の筆を想定させたため、歌集の作者である小大君を伝承筆者としたと考えられる。