木彫朱漆塗カメラ(堆朱カメラ)
附 湿板用縦型バット 1枚
現像用平型バット 1枚
台版 1基
ガラス板 17枚
収納箱 1個
もくちょうしゅうるしぬりかめら(ついしゅかめら)
つけたり しっぱんようたてがたばっと 1まい
げんぞうようひらがたばっと 1まい
だいばん 1き
がらすばん 17まい
しゅうのうばこ 1こ
概要
木彫朱漆塗カメラ(堆朱カメラ)
附 湿板用縦型バット 1枚
現像用平型バット 1枚
台版 1基
ガラス板 17枚
収納箱 1個
もくちょうしゅうるしぬりかめら(ついしゅかめら)
つけたり しっぱんようたてがたばっと 1まい
げんぞうようひらがたばっと 1まい
だいばん 1き
がらすばん 17まい
しゅうのうばこ 1こ
福井県
江戸時代末期
本体は木製で、外装に堆朱を模した装飾がある外箱と、黒塗りの内箱からなり、後蓋を外し、内箱を動かすことによってピント調整(後ろから焦点面が見える)をする構造である。外箱の上部は観音開きに開閉が可能で、木製黒漆塗りのピント枠と撮り枠(4種サイズに使い分け可能、薄板の引き蓋付き)が出し入れできるようになっている。
外箱は、朱漆塗りの前面に唐花唐草文、側面に唐花文、上面蓋に雷文などを彫り、黒漆で下塗りした後に朱漆を塗って堆朱風に仕上げる。鏡筒は銅板製鍍銀で、レンズを固定する内筒と、有線七宝を施した外筒からなる。レンズの被せ蓋にも有線七宝を施し、焼いた後に研ぎ上げることをせず、釉の面の凹凸をそのまま残すのを特徴とする。
レンズは2枚構成。第1(フロント)レンズは前面がわずかに凸、後面が凹、第2(バック)レンズは平凸レンズである(焦点距離約169mm、口径比F≒7と推定 )。
なお、付属品として、木製・黒塗りの湿板用縦型バットと現像用平型バット各1枚、カメラを載せる台版(脚部は喪失)1基がある。また、カメラを納めていたと考えられる収納箱1個とガラス板(湿板用)17枚も伝存している。
本体:幅19.6㎝ 高24.6㎝ 奥行36.3㎝(傾斜部含む)
レンズ部:径6.6㎝ 長6.1㎝
1台
福井県福井市宝永3丁目12-1
福井県指定
指定年月日:20200804
福井市
有形文化財(美術工芸品)
文久3年(1863)美濃国から写真師某によって薬剤とともに福井に持ち込まれ、中根牛介(師建、師質/雪江の子息、1840-99)の仲介で、福井藩蘭方医笠原白翁(良、1809-80)の所用となり(笠原健蔵『故白翁履歴大略』)、その後、昭和30年(1955)に笠原家より福井市立郷土歴史館(現福井市立郷土歴史博物館)に寄贈され、現在に至っている。