瓢形酒入
ひさごがたさけいれ
概要
これは、金属で作られたお酒の容器です。斜めに色が分かれていることにお気づきでしょうか。上の黒っぽい方には銅と銀の合金、下の赤っぽい方には、まざりけのない銅が使われています。ひょうたんの形のいれものの上部には雲のあいだに銀の月が、下の方には金色の桜の花がはめこまれています。上は月夜の景色、下は昼間の桜の景色をあらわしているようにも見えます。銀の月は化学変化によってやや黒みがかってしまいましたが、作られた当初は今よりも銀色に輝いていたことでしょう。
作者の船田一琴(ふなだ いっきん)は、刀剣の装飾を手がけていました。江戸時代の終わりごろには刀の仕事は少なくなったため、こうした暮らしの調度品を手がけることもあったようです。
胴部には、銘文が彫られています。作られた年、および「容齋老人図、船田一琴彫」とありますので、おそらく同時代の菊池容齋(きくちようさい)という画家の下絵をもとに作られたのでしょう。