風鳶図巻
ふうえんずかん
概要
翁同龢【おうどうわ】、字は叔平、号は松禅、瓶笙、瓶庵居士など。咸豊6年(1856)の進士で、翰林院修撰を授けられ、同治帝、光緒帝、二代の師としても知られる大官。光緒帝は西太后の手を離れて、光緒15年(1888年)より親政をはじめ、光緒20年(1894年)には日清戦争がおこった。『翁同龢日記』によれば、この日北京は前日からの大雪に見舞われ、朝方に降りやんだという。紫禁城から退朝する際、翁同龢は階段で足を滑らせ転んでしまったという。その後邸宅に帰って描いたのが本図である。風のなかに凧あげをする子供たちの姿は、まことに平和な日常そのものである。(20110308_h21)