行草書尺牘軸
ぎょうそうしょせきとくじく
概要
陳子龍@ちんしりゅう@は明末、崇禎@すうてい@10年(1637)の進士です。明滅亡後は福王に仕え、南京@ナンキン@陥落後は太湖の兵と挙兵を謀るも失敗し、自害した忠義大節の人で、倪元璐@げいげんろ@や黄道周@こうどうしゅう@と共に明末の烈士と称えられます。文学に長じ書画をよくしましたが、伝存する作例は少ないです。乾隆@けんりゅう@期に忠裕@ちゅうゆう@と諡@おくりな@されました。
この尺牘は、明の諸家が李流芳@りりゅうほう@(1575~1629)に与えた尺牘冊に収められていた陳子龍の二通の中の一通です。かつて長尾雨山@ながおうざん@が尺牘冊を入手し、これを見た滑川澹如@なめかわたんじょ@に懇望されて分け与えたものです。周囲の識語が尺牘を入手した経緯や、長尾・滑川両氏の交友を伝えて興味深いです。