雲龍堆朱合子
うんりゅうついしゅごうす
概要
漆の樹液を用いる工芸を漆工といいます。漆工はアジア各地で製作されましたが、製作地によって技法やデザインに特徴が認められます。中国の漆工の代表的な技法は彫漆(ちょうしつ)です。彫漆は漆を何層にも塗り重ねて厚みを作り、その漆の層を彫刻して文様を表わす技法であり、宋時代以後に盛んになりました。
合子とは身と蓋からなる円形の箱、堆朱とは朱漆(しゅうるし)の彫漆のことです。この作品では、全体に堆朱による装飾が施されています。器の全体に雲が沸(わ)き立っており、蓋の上では1頭の龍が、体をくねらせ手足を広げたダイナミックな動きでポーズを決めています。身の底裏には銘文(めいぶん)があり、1426年から1435年の宣徳年間に制作されたことがわかります。雲と龍のデザインをあらわした漆工品は、中国では伝統的に作られましたが、このように一頭の龍を大きく堂々とあらわし、その周りを雲で埋め尽くした構成は、明時代前期の官営工房で制作された作品に典型的な図柄であり、数多くの類例が知られています。朱色が少し暗く、彫刻がやや平面的である点も、宣徳年間の堆朱の特徴です。
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