梵字悉曇字母并釈義(高野版)
ぼんじしったんじもならびにしゃくぎ こうやばん
概要
鎌倉時代に幕府の庇護を受けて高野山で開版された高野版は、南北朝・室町時代に入ると、継続はされるが前代の盛行ぶりは影をひそめていったようである。本帖は、正平6年(1351)・同7年ころに出版された、一連の仏典のうちの一つで、空海による悉曇(梵字)の研究書であり、開版願主は重祐、版下筆者は寛覚である。奥書によれば、刊行の後、嘉慶2年(1388)に高野山・大楽院点本により、校合し訓点を付したということである。また別の奥書には、本帖を底本にして、新たに高野版を開版したと記す。