行田の足袋製造用具及び関係資料
ぎょうだのたびせいぞうようぐおよびかんけいしりょう
概要
行田の足袋は、記録によれば、すでに江戸中期には商品として流通したとみられる。産地化していった背景には、近郊農村であるとともに、中山道をはじめとする街道沿いという立地条件も重なっていたことが、大きな要因としてあげられる。
足袋製造の特色としては、自らが生産と販売を行うといった「足袋屋」が個々それぞれに併存し、地域総体の生業として発達したことにある。やがて近代に入ると、明治初年には諸会社の設立、中期からはミシンや裁断機の導入、各種実用新案の登録などが相次ぎ、明治40年には足袋同業組合の設立をみた。こうして、行田は明治後期から大正期にかけて飛躍的な発展をとげ、産業都市化していったのである。最盛期は昭和戦前期で、全国生産量の約80%に及んだ。