一分銀
いちぶぎん
概要
一分銀とは、天保8年(1837)から明治2年(1869)に発行された金一分を額面とする計数銀貨である(注1)。4個で小判1枚に相当した。
表面に「一分銀」と縦書きに陽鋳されており、小桜花が20個並ぶ額縁模様で囲まれている。その裏には、「定」の陰刻(極印)と「銀坐(注2)/常是(注3)」と陽鋳されており、周りは表面と同じ模様である。
一分銀には4種(天保・庄内・安政・明治)あり、文字の細かな交差やハネ、トメなどにより判別できる(注4)。本資料はそれらから天保・庄内ではないことは分かるが、安政と明治の判別は難解であり(注5)、そのどちらかと思われる。
資料状態は、欠けやスレ、傷が目立つ。また一部黒く酸化している。
〔注〕
1.HP『日本大百科全書』小学館
2.『世界大百科事典8』平凡社、1981年、p136
3.HP「精選版日本国語大辞典」
4.『日本貨幣型録』1990年版、平成元年(23版)、日本貨幣商協同組合、p88~89、HP「種類がいくつかある一分銀をプロがご紹介!!」ウルトラバイヤー
5.「謎多き明治一分銀」『月刊 収集』2016年、5月号、書信館出版、p2~3