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アレゴリー

概要

アレゴリー

絵画 / 油彩画 / ヨーロッパ

ルドン、オディロン  (1840-1916)

1905年

油彩・キャンバス

46×35.5

額装

 アレゴリーとはある事物を直接的に表現するのではなく、他の事物によって暗示的に表現する方法を指す。この場合2者間には明白な関連性はなく、表象はあくまでも暗喩的であり代替的である。それ故、力点は「いかに」よりも「何を」伝えようとしているかに置かれるきらいがある。
本作の場合も多種多彩な主題が割り当てられてきた。美しい裸体の青年とヴェールをかぶった女性の組み合わせとくれば、真っ先に思い浮かぶのはキリストと聖母マリアである。さらに、男性の足下に広がる不思議な曲線に目を留めれば、古代の神話に典拠を求めることもできよう。しかしどれも画面の「意味」を決定的につなぎ止めることは出来ない。もとよりそのようなものの存在すら疑わしいほどである。多くの文献をひっくり返し謎解きにやっきになる私たちをあざ笑うかのように、画面に満ちる色彩は不安なほどに美しい。命の炎を燃やす一本の木。背景をのみこむ深海のごとき静寂。トランプの表と裏のように、がんじがらめの解釈を求めるのではなく、ひたすらに色とかたちの織りなす心地よい波動に身を任せるのが一番の鑑賞法であろう。(生田ゆき)

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キーワード

ルドン / 黙示録 / 画面 / デューラー

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