臨江閣 茶室
りんこうかく ちゃしつ
概要
臨江閣は,旧前橋城の一角の景勝地に所在する。本館と茶室は明治17年に賓客の接待施設として,別館は同43年に連合共進会の貴賓館として建てられ,いずれも内外ともに簡明な和風の意匠でまとめられている。本館内部は,上下階と奥座敷部の各所に座敷を設け,能舞台の設えをもち,庭に茶室を併設するなど,明治前期における貴顕接待施設の様相を示す。別館は大規模な2階建で,内部は,大人数や多目的での利用を想定して座敷,洋間,180畳の大広間を設け,大空間を実現するために床組を鋼材で補強するなど,近代的な構造手法を併用する。資料等により建設背景も明らかで,明治期の地方における迎賓施設の展開を理解する上で高い価値を有している。