京洛・中国風景図巻
きょうらく・ちゅうごくふうけいずかん
概要
現在は巻子装ですが、本来は独立した4枚の反射式眼鏡絵として描かれたものです。左右反転して描かれているので、レンズと鏡を組み合わせたのぞき眼鏡で鑑賞するものです。極細の筆で、銅版画に匹敵するほど精緻に描かれており、その作風や寸法が他の伝応挙の眼鏡絵と類似しています。描かれているのは「祇園御旅所」「四条河原町芝居」「中国海浜」「姑蘇万年橋」。18世紀の京都の景観資料として、また、中国から舶来した蘇州版画の作風を考える上でも重要な作品です。四条芝居の看板に記された演目「沢村国太郎けいせい花鳥山」から、宝暦9年(1759)の景観と考えられます。
【江戸の絵画】