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富山県内商店引札

とやまけんないしょうてんひきふだ

概要

富山県内商店引札

とやまけんないしょうてんひきふだ

民俗 / 富山県

富山県高岡市

明治~昭和期

21

富山県高岡市古城1-5

資料番号 2-04-43

引札は、現在の広告チラシに相当するものである。江戸時代に登場し、昭和初期頃まで刷(す)られた。客を「引く」という縁起を担ぎ、得意先や街頭で配られ、江戸では引札、上方では散(ちらし)と称された。
 印刷技術も木版(もくはん)から、明治以降の石版(せきばん)・活版(かっぱん)印刷と技術の発達にともない、色彩の鮮やかさや濃淡の表現を可能にした。特に正月用の引札が多く、版元(はんもと)(印刷所)は歳末が近づくと、見本帳を持って全国の商店からの注文をとってまわる。そのため、現在の企業名入りカレンダーのように、なかには全く同じ図柄のものもある。
 図柄には様々な工夫がこらされ、七福神や松竹梅などの縁起物をはじめとして、旧暦の暦(こよみ)や日露戦争などの時代・風俗もうかがえる多彩なものもあり、見る人の目を楽しませてくれる。
【1】引札「呉服太物地織縞西洋反物 シャツ洋傘 足袋類/越中高岡市小馬出町/島崎宗平店」
寸法:縦53.3㎝×横34.8㎝
明治30年暦。暦図上に椿・梅・菊の花と日本国旗扇子に「賀新年」。

【2】引札「大勉強 呉服太物地織縞るい 西洋反物シャツ洋傘足袋/越中高岡市小馬出町/嶋崎宗平店」
寸法:縦51.5㎝×横37.4㎝
明治32年暦。

【3】引札「呉服端物/高岡市坂下町/定司吉平」
寸法:縦53.1㎝×横37.6㎝
明治38年暦。

【4】引札「履物類製造所/高岡市立横町/佐野作太郎」
寸法:縦25.6㎝×横37.9㎝
「寿」と書かれた杯と瓢箪を加えた亀が曲水の近くに2匹。その亀を梅の枝に頬杖した若い男性がみている。松竹梅に紅葉と滝図。

【5】引札「鉱泉御宿/西砺波郡西明寺/鉱泉湯元 湯谷孫平」
寸法:縦25.7㎝×横37.0㎝
左冒頭に恭賀新年。丸枠に弁財天。弁財天は「豊」の宝珠をもち鳥居をつけた宝冠をかぶっている。弁財天の前に恵比寿天と大黒天の吉祥画。

【6】引札「各国煙草商 并に表具師/新湊字放生津東新町/室谷左衛門」
寸法:縦52.5㎝×横37.8㎝
明治30年新旧略暦。

【7】引札「諸紙類 筆墨硯/越中新湊町字紺屋町/堀商店」
寸法:縦25.7㎝×横37.4㎝
短冊と筆を持つ女性図。

【8】引札「紙るい并筆墨硯石鹸るい商/新湊町字放生津紺屋町/堀商店」
寸法:縦51.7㎝×横37.4㎝
明治32年暦。

【9】引札「和洋小間物 筆墨硯 たわこ(墨で消した跡あり) 色糸いろいろ 蝋燭香鬢附/新湊放生津新町/能村吉蔵」
寸法:縦25.9㎝×横37.5㎝
暖簾に和洋小間物等取扱い商品記載。右側の暖簾下に犬が一匹。左側の暖簾横に鶴の絵が入った羽子板を持つ女性と子供が二人と犬。女性の着物の柄は梅、帯は亀甲模様と吉祥柄である。女性の後ろには松と竹があり松竹梅の吉祥図。

【10】引札「八百屋物菓子小売 并荒物砂糖漬物るい/越中新湊紺屋町/長岡久次郎」
寸法:縦51.6㎝×横37.2㎝
明治32年暦。

【11】引札「魚商并に 料理仕出し/新湊紺屋町/石倉権右衛門」
寸法:縦25.7㎝×横37.5㎝
馬に乗った軍人が相手の軍人二人にサーベルを振り上げている図。ロシア海軍の艦首旗と旭日旗が描かれていることから日露戦争の頃か。

【12】引札「材木商 戸障子 長木 竹石類/越中新湊町中の端西詰/室宗右衛門」
寸法:縦53.1㎝×横37.9㎝
明治32年暦。朝陽に和船と西洋帆船の図。

【13】引札「諸紙類商 并筆墨硯/新湊町放生津紺屋町/堀宇多」
寸法:縦26.5㎝×横38.2㎝
六曲一隻。5扇に取扱商品、6扇に店名あり。屏風絵図は松と竹。裏面は羽を広げた鶴と曲水模様。屏風手前に猩々。女性は茶器もしくは酒器のようなものを盆の上にのせている。

【14】引札「菓子製造并に砂糖煙草 茶諸紙蝋燭鬢附油 洋釘小間物清酒酢醤油/射水郡大字沖塚原町/岸與三平」
寸法:縦37.1㎝×横51.5㎝
明治43季。祝日、満月、日曜等の通年行事図。

【15】引札「各地銘酒 洋酒類 醤油酢 大販売所/越中大門中町/吉田商会大門支店」
寸法:縦25.6㎝×横37.5㎝
古今12傑双六

【16】引札「御料理 仕出所 各国旅人御宿/越中大門町/鷹島佐助」
寸法:縦37.0㎝×横52.0㎝
明治30年暦に松に鷹図の扇と短冊の画。短冊は「ふくの紙 末広くいのるにつねの勉強と引立仰ぐひきふだのかみ」の句あり。文顕写(香)

【17】引札「清酒醤油 各種洋酒 販売所/大門中町/吉田商会大門支店」
寸法:縦25.5㎝×横37.3㎝
大黒天と恵比寿天が並び後方に日の出図。足元に小判、金貨、銀貨等あり。フレームにしめ飾りが掛かっている。

【18】引札「御料理 仕出し所 各国旅人御宿/越中大門町/鷹島佐助」
寸法:縦37.5㎝×横51.7㎝
水藻がうつる澄んだ急流を赤い肌の男児が鯉の背中にのって遡行している。金太郎は絵画に描かれる際は赤い肌に描かれることから本資料は鯉に金太郎の図と思われる。登り切った鯉が竜になると信じられてきたことから鯉に金太郎は「こいきん」と呼ばれ江戸時代から男の子の立身出世、身体堅固の願いをこめて描かれてきた伝統的な図柄である。年無草(画)

【19】引札「和洋小間物洋傘双子紡績 并に流行履物現金小売/射水郡小杉本中町/中瀬清平店」
寸法:縦25.5㎝×横37.0㎝
明治39年の暦を持つ男児と郵便物早見表をもつ女性。郵便票は第1種~5種郵便物、手数料、通常電報料、改正小包賃金表、証書制限、郵便為替料、電信為替料。

【20】引札「履物商/越中小杉西町/青井清兵衛」
寸法:縦53.0㎝×横37.9㎝
明治41年暦。

【21】引札「下駄 単物小鳥商/小杉町本中町/円本吉蔵
寸法:縦25.3㎝×横37.5㎝
洋髪にドレスを着た女性が二人、包帯を持っている。机上の花瓶には大ぶりなバラが3輪ある。


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引札 / 太物 / 図柄 / 高岡

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