東かがわの手袋製作用具及び製品
ひがしかがわのてぶくろせいさくようぐおよびせいひん
概要
本件は、東かがわの人々の暮らしを支えてきた生業である手袋製作に関する用具類とその製品を網羅的に収集したものである。東かがわを含む東讃地域は、雨が少なく水の便も悪いため稲作に適さず江戸時代は製塩や製糖が発達した。明治時代に入ってこれらが衰退すると、代わって明治後期から手袋製作が行われるようになり、第一次世界大戦の特需を背景に急速に発展し、最盛期にはほとんどの家が手袋製作に携わっていた。
この資料群は、製作用具とそれにより製作された製品(手袋)からなる。製作用具は、工程順に分類され、手袋製作の実態がよくわかるだけでなく、製作当初から昭和30年代までの用具が揃っており製作用具の変遷を知ることもできる。製作用具には、綿作の用具を転用したものや、この地域で考案された用具などこの地域の手袋製作で用いられた独自の用具も多い。 製品は、防寒・作業用等の手袋で、当初より製作されてきた綿手袋を中心に、革手袋、レーヨン手袋、合皮手袋などがあり、手袋の材質や形状等の変遷を追うことができる。