ホーロー看板「電球交換所」
ほーろーかんばん「でんきゅうこうかんじょ」
概要
ホーロー看板「電球交換所」
ほーろーかんばん「でんきゅうこうかんじょ」
金属
縦36.9cm×横52.0cm
1枚
富山県高岡市古城1-5
資料番号 2-04-14
高岡市蔵(高岡市立博物館保管)
北陸電力株式会社が運営していた電球交換所のホーロー看板である。
両面共に同じデザインで、中央に電球の絵、右下に「北陸電力株式會社」、左下に同社のロゴマークが、それぞれ青で描かれている。
【電球交換所について】
・昭和17年~40年代に存在。
・当時電球は定額貸付制だったため、故障した電球を利用者が交換所に持ち込み、有料で新しいものと交換していた。料金は時代によって変動するが、当時の金額で10~30円程度。
・農村や漁村などでは、中心となる集落内の商店が代理で業務を行っていた。
・電球交換所の業務
(1)自然断線、光度低下、口金不良の電球は所定の引換料を徴収、領収書を添えて新球と引換。
(2)破損した電球の引換には口金の持参が必要。破損・紛失の場合にも所定の引換料を徴収、領収書を添えて新球と引換。
(3)顧客の希望により、従業員が顧客の家に出向いて電球交換を行う場合もある。
(4)遠隔地の顧客は、区域内の交換所を利用してもらう。
(5)販売用電球との混用防止のため、貸付電球受け渡しの際にガラス面や口金に記された標印を確認。標印の種類は以下の通り。
①定格電圧と燭光数
②定額灯用を表す○定の記号
③会社の社章や支社を表す記号
④会社が承認した電球製造者の商標
(6)持ち込まれた電球と電灯契約が一致しているかを確認するため、営業カードや顧客が持参する直近の電灯料領収書と照合する。
(7)電球授受の際は「点火試験」を行い、電球の導通と光度を確認する。
参考資料『日本における定額電灯制と電球貸付の変遷』
(加島篤、北九州工業高等専門学校研究報告第46号、2013年)