鳴門板野古墳群
なるといたのこふんぐん
概要
徳島県の北東部に位置する阿讃(あさん)山脈東南麓の,東西約7kmの範囲に展開する,弥生時代終末期から古墳時代前期にかけて営まれた墳丘墓及び古墳から成る古墳群。
弥生時代終末期には,積石による墳丘を構築し埋葬施設が東西方向であるなど,四国東部の特徴が認められる。古墳時代前期前半でも,前方後円墳の可能性のあるものもあるが基本的に円墳であり,埋葬施設の構造は弥生時代終末期からの影響を受け継ぐ。ところが,古墳時代前期後半になると前方後円墳となり,円筒埴輪を巡らすなど畿内的要素が顕著となる。
本古墳群は東部瀬戸内地域において,在地性の強い墳丘墓に始まり古墳出現過程を示す重要な事例である。古墳出現後は畿内地域からの影響を受けて変容していく様相から,当該時期における政治状況を知る上で重要である。