南北千木町屋台囃子
なんぼくせんぎちょうやたいばやし
概要
南北千木町と呼ばれる北千木、南千木町に伝承される屋台囃子は、伊勢崎市域をはじめ群馬県から埼玉県北部地域に広く分布するサンテコ(参手鼓)と呼ばれる演目を基本とする、附太鼓3、大胴1、鉦2、笛1で構成される祭り囃子です。茂呂地区ではこの屋台囃子だけが両手の撥を回します。屋台囃子の曲は、参手鼓、武州囃子、大間昇殿、昇殿、神田丸、籠丸、鎌倉を伝承しています。参手鼓は古くから伝承されてきた曲で、武州囃子は一時伝承が途絶えましたが、録音や長老からの聞き取りで再現し、現在に至っています。大間昇殿と昇殿は伝承が途絶えたため、山王町から伝授され、神田丸は山王町から伝授された美茂呂町から伝授を受けています。このほか鎌倉は平成6年に馬見塚中町から、籠丸は平成12年に前橋市駒形上町から伝授を受けました。千本木神社の秋祭りでは、南北千木町で所有する屋台が曳行され、保存会ではこれに乗って屋台囃子を演奏しています。かつては、世良田の祇園祭が規模を縮小する頃まで、下新田(太田市)の屋台に乗って演奏してきました。戦後の一時は世良田の上町にも呼ばれたため、太鼓や鉦を他所から借りて下新田と上町の二か所で同時にやったこともあるといいます。また、戦後には伊勢崎の祇園祭で、川岸町に呼ばれて屋台に乗ったこともありました。南北千木町は周辺地域の伝承に大きく影響を与えているほか、地元の秋祭りで屋台の上で演奏を行うなど、演奏形態による上演が現在でも行われています。