都々古別神社本殿
つつこわけじんじゃほんでん
概要
都々古別神社は,陸奥一宮として崇敬されてきた古社である。
本殿は文禄3年(1594)に佐竹義宣が造営したとみられる。もとは棚倉城の地にあったが,寛永2年(1625)に現在地へ移された。
形式は本格的な三間社流造であるが,組物を出三斗とし,彫刻を用いないなど,簡素なつくりとする。反りのある垂木,庇に架けた水平に近い梁などが中世的な要素である。
都々古別神社本殿は,東北地方において数少ない桃山期の本殿建築として,高い価値を有している。細部や技法には中世的な要素が残っており,中世から近世への転換期における様式や技法を知る上で,貴重な存在である。