米子瀑布群
よなこばくふぐん
概要
長野県北東部を流れる千曲川(ちくまがわ)水系の米子川(よなこがわ)の上流,標高約1,600m付近に位置する。米子川上流部には比高100mほどの岩壁が約1kmにわたって続き,その岩壁及び周辺部を,権現滝(ごんげんだき),不動滝(ふどうだき)等,十数条の滝が流れ落ちる。そのうち,常時水を落とす滝は10条ほどで,そのほかに,普段落水はないものの,多くの降水量がある時に流れ落ちる滝が数条存在する。
瀑布群の中心的な滝である権現滝は,約80mの落差で,直線的に落ちる。権現滝同様瀑布群の中心となる不動滝は,約85mの落差で,滝口から落ちた水は下部で霧状になり,夏至の前後にはこの霧状の部分に朝日が差し込み,虹が出る。
米子瀑布群,とりわけ権現滝及び不動滝は,近世中期までは信仰の対象として捉えられ,近世後期以降はそこに景勝地としての評価を付加しつつ,現在までその姿を伝える。特徴的な地形及び地質によって独特の風致景観が形成されており,その観賞上の価値及び学術上の価値は高く,重要である。
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国指定文化財等データベース(文化庁)