上総掘りの技術
かずさぼりのぎじゅつ
概要
上総掘りの技術は、千葉県の上総地方で考案された掘り抜き井戸の掘削技術で、細長い鉄管とそれを地中の孔に吊す竹製のヒゴを基本的な用具とし、用具の自重を利用しながら専ら人力を頼りに地下を掘り進み、帯水層にある地下水を掘り当てる技術である。
上総掘りは、鑿を先端に付けた鉄管と割竹製の帯状のヒゴを使用し、人力のみで地面を突いて細い竪穴を掘っていくものである。水を含む層はシキといい、このシキ層の見分けも重要な技術であり、掘屑に混じる砂の色や含水性をみて水の良否や帯水量を判断する。掘削進度は、個人差があるが、一日に約三間(約五・四メートル)程度といわれている。