論田・熊無の藤箕製作技術
ろんでん・くまなしのふじみせいさくぎじゅつ
概要
本件は、富山県氷見市の西部、石川県との県境付近に位置する論田、熊無という隣り合う2つの集落に伝承されてきた箕を作る技術である。江戸時代中期より続くとされる技術で、製品は藤箕と称され、北陸一帯に売りさばかれてきた。
製作は、材料の採取・加工、ヒラミと呼ばれる平面状に編む工程、ヒラミを立体にして持ち手を取りつける工程の3工程に分けることができる。藤、矢竹を丁寧にござ目に編んでヒラミを作り、これにU字に曲げたニセアカシア(あるいは山漆)の枝を持ち手として取りつける。
丈夫な箕を作るために、ヒラミを編む工程で、幅の広いハバフジと幅の狭いヨセフジを交互に編んで編み目を密にしたり、ハバフジの裏に細い矢竹のひごを一緒に編んで形状を安定させたり、箕の先端に山桜の皮を編み込んだりするといった特徴的な技術もみられる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
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国指定文化財等データベース(文化庁)