下北半島のサルおよびサル生息北限地
しもきたはんとうのさるおよびさるせいそくほくげんち
概要
下北半島はニホンザルのわが国における分布の北限地であり、また世界的にみるとニホンザルを含めた霊長類の自然分布の最北限をなしている。指定は、下北半島全域のサル(四群ある)の捕獲を禁止するとともに、そのうちの三群(約60頭)が集中して生息している西南海岸部の区域の自然状態を保護することを目的としたものである。この生息地は、海岸に面した急峻な自然林で、ヒバ、ブナ、ナラ等の落葉樹を主とする約600ヘクタールの国有林である。戦後サルのえさづけを流行し、各地で生態の観察が容易になった。そのような例のうち4件がサル生息地として天然記念物に指定され観光資源ともなっているが、下北半島の指定はあくまでも野生状態の保護を目途とするものである。