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白畑孝太郎の昆虫標本

しらはたこうたろうのこんちゅうひょうほん

概要

白畑孝太郎の昆虫標本

しらはたこうたろうのこんちゅうひょうほん

動物 / 東北

 昆虫標本(標本箱250箱、総数約6万点)
 当該昆虫標本は、1930~1980年にわたって収集されたもので、大部分は東北地方、特に山形県内で採集された昆虫が多数を占め、採集の対象種はその地に生息した昆虫の全分類群に及んでいる。また、標本には採集地・採集日、採集者などの採集時の情報が詳細に付随されている。
 白畑孝太郎(1914-1980)は山形県南村山郡宮生村に生まれた。この蔵王の麓の豊かな自然の中で、幼少(1924年:大正13年)の頃より昆虫採集を始め、独学で昆虫の研究に打ち込んだ。21歳で警察官となり、職務の傍ら昆虫の調査研究を続け、酒田市において66歳で急逝するまでの半世紀余の間、多数の新種を発見・命名するなど近代昆虫学の発展に大きな足跡を残した在野の昆虫研究者である。
 白畑の昆虫の研究及び採集の意図は、山形県の昆虫目録をつくり、気候や地形など山形県特有の自然と関わらせて昆虫の自然史(生物地理)をひもとくことであり、そのために山形県の全域を対象に生息する昆虫の全分類群の収集が行われた。その研究成果は、1930~1980年という約半世紀にわたって主に山形県内で採集された約6万点もの標本や観察記録、そしてこれらの昆虫についての100編以上におよぶ多数の著作として残っている。
 また、採集にあたった期間は、戦後の高度経済成長に伴う自然環境の大規模な改変により昆虫類の衰退が急激に進行した時代であり、昆虫の収集とともに昆虫が棲息していた当時の自然環境についても、多数の写真やメモなどによる記録が残っている。

山形県指定
指定年月日:20140328

記念物

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キーワード

標本 / 生息 / 昆虫 / 採集

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