北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション
ほっかいどうにぶたにおよびしゅうへんちいきのあいぬせいかつようぐこれくしょん
概要
この資料は、北海道沙流郡平取町二風谷のアイヌ文化研究者萱野茂氏により昭和28年頃より収集された、北海道沙流川流域の二風谷およびその周辺地域で使われたアイヌの人々の生活用具の収集である。
二風谷および沙流川流域は、アイヌの生活文化を濃厚に保有する地域で、明治25年頃まではアイヌの人々だけが居住していたという。萱野氏が本格的に収集を始めた昭和30年代は、明治生まれの古老が健在で、こうした古老の家から生活用具を収集するとともに、古老の指導によってすでに使われなくなった伝統的な生活用具類の製作も行った。
これらの資料は、昭和47年に北海道ウタリ協会が主体となって建設した二風谷アイヌ文化資料館で保管・展示され、その後、平成4年に平取町立二風谷アイヌ文化博物館が建設されるに伴い収蔵資料の過半数が町に寄贈され、残りの資料が二風谷アイヌ文化資料館の旧施設を利用した私設の萱野茂二風谷アイヌ資料館に保管・展示されることとなった。
現在、資料は平取町立二風谷アイヌ文化博物館に約1400点、萱野茂二風谷アイヌ資料館に約1000点と二館に分かれて保管・公開されている。しかし、これらはあくまでも一体的に保存・活用されることで本来の価値が発揮されるものであり、平取町および萱野氏とも一体的な保存・活用を望んだことから、両者の資料を合わせて指定したものである。
本件は、この約2400点に及ぶ萱野氏収集のアイヌ関係資料から、二風谷を中心とする沙流川流域で使われ、製作法や使用法などの記録が明確な資料を整理したものである。