饕餮文〓〈図形文字一/〉
とうてつもんか
概要
いずれも昭和七、八年頃河南省安陽侯家荘のいわゆる殷墟(殷時代の都の跡、紀元前およそ一五〇〇年頃)から出土したと伝えられるもので、中国青銅器中の王座を占めるものである。
中でも根津美術館の饕餮文方〓は左・中・右の三個一具の大器であり(高さ七二~七四センチ)、保存も完全に近い。これに対して白鶴美術館の二器は、大きさは前者の半分ないし四分一ほどの小器ではあるが、精緻なることこの上もなく、保存もまた完全である。また〓【か】・尊【そん】・〓【ほう】は二尺五寸ないし二尺に垂【なんな】んとする大器で、かつ、器の内底には同一の図形文字の鋳表わされている点で注目される。中国殷時代。
*〓【ゆう】 酒などの飲物をいれる器で、提梁(つる)がある。
*〓【じこう】 角形【つのがた】の酒などを飲む容器。
*〓【か】 酒などの飲物をあたためて注ぐのに用いられたと思われる。
*〓【か】 酒などの飲物をあたためたり、または飲むのに用いたと思われる。
*尊【そん】 酒などの飲物をいれるのに用いたと思われる。
*〓【ほう】 酒その他の飲物をいれた器と思われる。