絹本著色阿弥陀曼荼羅図
けんぽんちゃくしょくあみだまんだらず
概要
阿弥陀曼荼羅は、密教における阿弥陀法敬愛に用いられるものであるが、図像を除き、本図のように完成された曼荼羅図の遺例はきわめて少なく、彩色の古本としては本図のほかには未だ知られていない。観音を中心に阿弥陀の八葉を配し、内院の四隅に供養菩薩、外院に四供養菩薩、四摂菩薩を配して形式をととのえている。温和な色彩や繊細さの認められる筆致などからみて、鎌倉時代も前期を下らぬ頃の製作と考えられ、阿弥陀曼荼羅の珍しい作例としてその価値は高い。