書斎のドン・キホーテ
しょさいのどん・きほーて
概要
1820年代のドラクロワは、スペインの画家たちに魅了されていた。彼はゴヤ、スルバラン、ムリリョを高く評価し、本作が描かれた1824年には、ベラスケスを模写している。このスペイン風の小品は、こうした時期に描かれた一つ。ラマンチャの郷士が騎士道の書物を読みながら、時代離れした英雄的な行為を夢想しており、司祭、家政婦、召使いが彼を現実に呼び戻そうとしている情景である。17世紀スペインを代表する物語として有名なセルバンテスの『ドン・キホーテ』(1605年)の正篇第1章から第6章に取材した作品。
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