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老人像

概要

老人像

絵画 / 油彩画 / 明治 / 日本

原田直次郎  (1863-1899)

はらだなおじろう

1886(明治19)年頃

油彩・キャンバス

57.6×42.6

額装

東京小石川に生まれた原田直次郎は、幼い頃から大阪開成学校、東京外国語学校でフランス語を学び、また山岡成章という人物や高橋由一の画塾・天絵学舎で洋画を学ぶ。1884(明治17)年に渡独、ミュンヘンのアカデミーで教授を務めたガブリエル・フォン・マックスに師事する。同地では森鷗外と出会い、生涯にわたる友情を結んだ。1887(明治20)年に帰国するが、当時の日本は西洋絵画を排斥する動きが高まっており、原田は苦境に立たされながらも油彩画の興隆に尽力する。1889(明治22)年に自宅に画塾・鍾美館を開設、三宅克己、和田英作ら後進の指導に当たった。しかし、病に冒され、36歳で早世した。画家としての活動期間は約10年と短いが、高い技術力と絵画理念をもって原田が画壇に果たした役割は決して小さくない。
 本作はミュンヘン留学中に手がけた習作と考えられる。人物の左腕の描写には苦心の跡が見られるが、生身の人間をモデルにその存在感までをも描き出す技量の高さは確かなものがある。現存する作品が少ない画家の、貴重な一点である。

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キーワード

洋画 / 原田 / 留学 / 直次郎

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