陽徳院霊屋
ようとくいんたまや
概要
陽徳院は、松島湾の沿岸部に所在し、瑞巌寺の北側に境内を構える。慶安2年(1649)、伊達政宗の正室愛姫の菩提寺として、伊達忠宗が瑞巌寺の住職雲居を招き開山した。
陽徳院霊屋は、愛姫を祀る霊廟で、万治3年(1660)の建立である。
外部は均衡のとれた形態で、黒漆塗とし、軒まわりの要所を極彩色で引締める、落ちついた仕上げとする。一方、内部は金箔押として、壁に獅子や様々な草花を描くなど華やかに仕上げる。
陽徳院霊屋は寺院に附属した大名家の霊廟として、瑞巌寺及び周辺の関連寺院に残る桃山時代から江戸時代前期までに整備された建造物群と一体的な価値を有する。また、東北地方の霊屋建築の典型を示すものとして高い価値が認められる。