絹本著色鳥枢沙摩明王像
けんぽんちゃくしょくうすさまみょうおうぞう
概要
烏枢沙摩明王は、出産や解穢のために修される烏枢沙摩明王法の本尊として用いられるほか金剛夜叉明王と同体とみて五大明王の北方尊に兼用されるなど、古来より信仰が寄せられてきた。その像容は白描図像集においてみられる如く、二臂、四臂、六臂、八臂など各種あるが本像は六臂像で、図像集に録されている場合には、智証大師請来様との注記が施されているものである、制作年代は画風より考えて藤末鎌初の頃と思われ、台密系仏画の古作であるばかりでなく、独尊像として制作された烏枢沙摩明王像としては類品が極めて少なく貴重である。