御嶽昇仙峡
みたけしょうせんきょう
概要
山梨縣荒川中花崗岩ヨリ成レル渓谷ヲ称スルモノニシテ御嶽新道トシテ知ラル此ノ渓谷ノ両岸ハ或ハ断崖絶壁ヲ成シ或ハ峻峯石柱ヲ成ス就中覺圓峯著名ナリ、此ノ外登龍岩ハ花崗岩ヲ貫ケル輝石安山岩ノ岩脈ニシテ数百尺ノ峭壁ヲ成シテ水平ノ柱状節理ノ爲メ龍ノ鱗ニ類セルヲ以テ此ノ名アリ.河床ニハ花崗岩ノ巨大ナル岩塊アリテ水蝕ノ跡眞ニ神彫鬼■ヲ経タルモノノ如シ河流ハ多ク急流ヲ成シ飛瀑深潭ノ竒巖峻峯ト相俟ロテ其ノ景致ヲ添フアリ、殊ニ仙俄瀑ハ三段ヲ成シテ落下シ屏風岩、鏡岩、眩岩ト相俟チテ峽中ノ一美觀タリ又秋季ニハ紅葉ノ美ナルアリテ一段ノ情趣ヲ添フ
花崗岩の巨塊大崖、荒川の溪流に沿うて連り紅葉樹、赤松占綴して勝景を飾る。
花崗岩の裸出する溪谷として特に優れた景観である。