松浦山代家文書(六十六通)
まつらやましろけもんじょ
概要
松浦山代家文書は、肥前国西松浦郡山代を根拠に活躍した松浦党の一族、松浦山代家に伝来した重要文書で、建久三年(一一九二)六月二日前右大将家政所下文を上限として、永徳四年(一三八四)二月廿三日松浦党一揆契状に至る六十六通を存している。鎌倉時代における所領相続・押領等に関する相論、及び蒙古合戦の軍功に関する文書が多いのが特徴で、なかでも山代固の後家尼と娘源氏、その子息益田通広に関する相論関係文書は、当時の女子相続のあり方を具体的に伝えた文書として注目される。その他永徳四年の一揆契状も下松浦党一族や、地縁関係によって結合した小武士団の代表的契状として著名である。