古岩屋
ふるいわや
概要
結晶片岩を基盤として第三紀礫岩之を被覆し列立する數十の圓柱形若は圓錐状を成せる岩峰は水蝕作用に依って何れも岩壁の奇觀を恣にし略々東西に連亙す岩下の溪流亦岩列に沿ふて東し其の間に平坦なる草地の一帶を形成す、就中洞ヶ岳、不動岳、大岩岳、古岩屋岳等を推して最哨の奇勝となす、殊に天柱岳の圓柱状を成して頂に松樹の僅に生ずるは景觀の一奇たり其の他の諸岩亦矮松を叢生せしむるあり春季にセキコクの花開き其の妍美賞すべし岩壁の諸處に大小の竅穴を見る大なるは數メートルの横穴を成し小なるは蜂■の如くにして無數なり「島の臺」とする奇岩「千丈敷」と稱する岩穴亦驚異に値す。