石屋古墳
いしやこふん
概要
S53-12-033[[石屋古墳]いしやこふん].txt: 本古墳は、宍道湖と中海を結ぶ大橋川の南岸、標高約30メートルの丘陵上にある。当地は『出雲風土記』にいう朝酌渡に近く、付近には出雲国分寺跡、竹矢岩船古墳などよく名の知られた遺跡も多い。
本古墳は、宅地造成に際して新たに発見されたもので、1辺約40メートルをはかる方墳である。東北辺と西南辺には丘陵の尾根を切断した幅10メートル余りの空濠があり、またその両辺には濠に突出する方形の造り出しが認められる。墳丘は2段築成で斜面に葺石があり、第1段の平坦面には葺石の根石にそって円筒埴輪や朝顔形埴輪がほとんど間隔をあけずにつらなる。造り出し部上面の周縁にも円筒埴輪が並び、内部に多量の形象埴輪が倒れていた。形象埴輪には、馬・人物・器材などの種類がある。墳頂部の埋葬主体は未調査のため内容が不明であるが、造り出し部の形象埴輪群のなかに金崎古墳出土品と同型式の須恵器が含まれており、古墳時代中期に属する古墳と思われる。
本古墳は方墳の多い出雲地方のなかでも最大級の規模をもち、墳丘稜線の遺存状況も極めて良好であり、方墳の典型を示すものとして貴重である。