青垣の翁三番叟
あおがきのおきなさんばそう
概要
これは兵庫県氷上郡青垣町沢野に伝承されているもので、十月の九、十日の八幡神社祭礼に境内の舞堂と呼ぶ地狂言の舞台で演じられる。
青垣町付近にはこの種の翁三番叟が分布しているが、但馬海岸部のものとともに地狂言の盛んな地帯に残された神事芸能で、古くは丹波猿楽などの流れを汲む能楽師が村を回って演じていたものと考えられる。
演者は、少年の千歳、青年の翁、高校生の三番叟で、囃子方は笛と小鼓二丁で幕陰に座し、地謡は小鼓方が兼ねる。なお、幕前には拍子木のツケ打ち役がいる。
はじめ、祭礼の獅子舞があり、その後にこれが演じられる。まず出演者全員が神殿に赴いて祓いを受ける。謡い出しの「とうとふたらり」の部分は幕かげの地謡が受け持ち、これるカゲウタヒと称している。「鳴子は滝の水」からが千歳の謡で、途中やたらと拍子木の音が入る。
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)