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お夏清十郎物語 二図

おなつせいじゅうろうものがたり

概要

お夏清十郎物語 二図

おなつせいじゅうろうものがたり

日本画 / 昭和以降

鏑木清方  (1878-1972)

かぶらぎきよたか

1939

絹本着彩

37.5×47.0

神奈川県立近代美術館

 桜の花が咲く美しい季節。水辺に幕をはって敷き物をしき、若い女性が寝転んでいます。料理が入った重箱にも手をつけず、お花見もせず、一人きりで悩んでいるような様子です。
 これは江戸時代の実際の事件にもとづいた物語を題材に描かれたものです。お夏というこの女性は、江戸時代の旅館・但馬屋の娘で、使用人である手代の清十郎と恋に落ちます。しかしお夏は主人の娘、清十郎は使用人、その身分の違いから恋をゆるしてもらえません。二人は駆け落ちを決意し家出をしますが、かわいそうな事に清十郎はつかまって殺され、それを知ったお夏は、悲しみのあまり気が狂ってしまいます。
 鏑木清方は「お夏を描かうと思ひ立つて、竪から、横から、表から、裏からと、…行から行の間をも漏らさじと」*、ていねいに物語を読み、6つの場面をえらびました。これは第二の場面で、清十郎を好きになったお夏の、恋に悩むすがたです。
*(『鏑木清方文集 一 制作餘談』1979年、白凰社)

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キーワード

女性 / 描く / 物語 / 清方

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